経営戦略
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平成16年4月に総務省から地方公営企業の経営に関する総点検の通知が出された。その中で、最も重要なものは中期経営計画だ。地方公営企業における中期経営計画の策定のポイントは、(1)戦略性、(2)使命の明確化、(3)多様な視点のバランスと筋書き、(4)責任者の明確化、(5)毎年度の業績評価による着実な計画だ。「(2)使命の明確化」については、公共性と経済性を両立する地方公営企業においては、十分に議論をし、民間企業と異なることを明示することが必要だ。「(3)多様な視点のバランスと筋書き」のある計画とするためには、バランス・スコアカードを活用することが有効だ。ニュージーランド保健省では、全国の病院機能を管理するツールとしても使われている。
このような計画を策定するためには、組織の内部と外部の現状を分析することが不可欠だ。その際、客観的データなどによる事実の確認が重要だ。特に、内部の分析については、ハード面以外の分析は軽んじられてきた傾向が強い。重要な経営資源である「ひと」の分析は不可欠だ。また、「かね」に関する分析は、自立する地方公営企業を目指すため、様々な改善策を考えるためのベースとなる総資本経常利益率、長期的な視野のもと起債に頼らない経営を実現していくためのDSCR、企業債キャッシュフロー比率などが有効だ。
住民が将来にわたっても安心してサービスを享受するために重要なことを明確にし、その実現に向けて優先するべきこと、重要なことを明確にした計画を、地方公営企業のトップの責任と職員の参画によって策定することが重要だ。