経営戦略
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英国では、市場主義的な金融システムが短期的な経済パフォーマンスに有利に働いている。市場主義的な金融システムは、住宅ローンへのアクセスを改善させ、住宅資産価格の上昇が個人消費を押し上げると同時に消費の安定性を高める効果を持つ。近年、世界的に高い経済パフォーマンスを示している国々では、個人消費が経済成長の牽引役となっている。
英国経済は地域ごとの均衡ある発展をとげている。各地域の産業構造の転換にさいしては、政府が企業誘致などの面で主導的な役割を果している。
経済の供給面をみると、移民の受け入れなどによって労働供給を高めていることが、英国の潜在成長率の拡大に寄与している。産業構造面では、急速に進むサービス化が、金融、不動産にとどまらず、専門サービスや卸小売、医療サービスなど、業種間の広がりをもって進展している。
英国と米国は多くの面で共通の特徴がみられるが、インフレーション・ターゲッティングの導入により、景気過熱の回避に成功したことは、ITバブルの崩壊局面で英国経済の落ち込みを相対的に軽微にとどまらせた。
物価動向について、日本と比較した英国や米国の大きな特徴は、サービス価格の持続的な上昇である。価格の上昇トレンドを持つ経済では、インフレ抑制的な金融政策が求められる。一方、物価の下落傾向が顕著な日本については、国際的な購買力が低下している今日の状況を考慮すると、英米のように受け入れ可能なサービス価格の引き上げを模索することも、購買力を高める一つの方策といえる。