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関西広域連合による生物多様性政策の動向

2018/02/20

地域独特の豊かな文化や景観は、自然の恵みである生態系サービスの恩恵を受けながら受け継がれてきた。しかし近年、地域固有の生物多様性(生きもののにぎわい、つながり)に危機が迫っており、危機を食い止め、生態系サービスの維持・向上に努めることは、私たちが将来にわたって生存していくために必要不可欠である。

関西広域連合では、「生物多様性の恵みを身近に感じる自然共生型社会」を2030年の目指すべき姿としている。この目標を達成するため、このたび関西地域における生物多様性に関するデータベースの共有化を行い、自然のつながりを重視し府県域を越えた広域的な視点で、生物多様性の保全上重要な地域を「関西の活かしたい自然エリア」として選定し、公表した。あわせて、生物多様性情報を誰でも扱いやすいように地図上に表示した集成図を作成し、ウェブサイト上で公開した。また、これまで行われていなかった生態系サービスの定量化を行うため、生態系サービスを4つの指標群(ストック指標、サプライ指標、デマンド指標、マネジメント指標)に分類し、相互の関係性を明らかにするとともに、各自治体の施策に活用できるよう、市町村単位での計算、見える化を試みた。これら以外にも、アライグマやヌートリアの防除マニュアルの作成といった外来種対策や増えすぎた在来種対策にも取り組んでいるところである。

今後これらの成果が活用され、各自治体をはじめ、多様な主体によって生物多様性保全の取り組みが進められることが必要である。その結果、生物多様性から得られる恵みである生態系サービスが維持・向上され、将来にわたって享受できる自然共生型の社会が実現されることが望まれる。

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